これは先日発売された「沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか」の著者で元WSJのAppleの担当記者だったケイン岩谷ゆかり氏とMacお宝鑑定団の会長である山田昇(@idanbo)氏によるディスカッションのイベントです。
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ケイン岩谷ゆかり氏は、本にも書いてある通りSteve Jobs氏亡き今のAppleが今後もイノベーティブを保つことは難しいのではないかということを、数多くの取材から感じているようでした。
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もう一人の登壇者の山田昇(@idanbo)氏は、Steve Jobs氏がAppleに復帰した直後の"Steveを信じるしかない状況"と今のAppleの状況は違うこと、どの部分から見ているかで"沈みゆく"というワードの捉え方の違いがあるということをいっていました。
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Steve Jobs氏という偉大な創業者がいなくなったあとのAppleはどうなっていくのかというテーマがやはり今回の主題ではありましたが、この二人の見ている視点は全く違っている点があり非常に興味深かったです。
ケイン岩谷ゆかり氏は、本を読んでも今回のお話を聞かせていただいても同じ印象だったのですが、やはり記者さんなんだなという感じで、Appleについてはあくまで取材対象という気がします。それでもここまで細かい取材を重ねているところはやはりさすがという感じで、非常にタフな方だと感じました。
AppleがJobs氏亡きあとに新しいものを作り出せていないというお話もありましたが、iPhoneみたいな世界を劇的に変えるものが毎年出るわけではないで、この短期間でSteve Jobs氏がいなくなったことによる影響だと判断するのはやはり早すぎるのではないかと思います。
Tim Cook氏についても、もちろんJobs氏と同じことができる人物ではないのは言うまでもないですが、Jobs氏以上のことが出来ないということも言い切れないと思うので、まだ評価という意味では早いかなと感じました。