今回の「iTunes in the Cloud」のサービス開始は、著作権などを巡り日本の音楽業界との歩み寄りがあったからと見られるとしていています。
また、マイナビニュースの記事で、AppleのiTunesアジア太平洋地域 & カナダ担当シニア・ディレクターのピーター・ロウ氏のインタビューでは日本の音楽業界について以下のように語っています。
「日本の音楽業界は、色々な点で他の国とは違っていると思います。人気楽曲の傾向も世界の他の国とは違っていますし、また音楽業界がたどってきた歴史も、他の国々とは大きく異なっています。ただ、消費者が求めている機能やサービスといったものについては、世界中、どこの国でもそれほど大きな差がないとも思っています」ただ、ピーター・ロウ氏は、「日本のレーベルとの関係も非常に良好な関係をつくることができている」とも語っていて、「iTunes Matchについても年内に開始出来るように調整中」と発言している事から、日本の音楽業界が、配信事業に対してかなり前向きに変化してきてる事がうかがえます。
日本の音楽業界にとって以前はAppleの「iTunes Store」は黒船であり、脅威だと思っていた節がありますが、その考えが徐々に変化してきていて、Appleをパートナーとして協力関係を築いていきたいと思うようになってきているのではないでしょうか。
「iTunes Store」は今や世界最大の音楽ショップの1つです。日本にそれに対抗出来るサービスもありません。こういった現状からもレコード会社をはじめとする音楽業界はAppleとどう組んでいくかを考えている状況だと思います。もちろん、Appleの要求をすべて飲むわけにはいかないので、交渉には時間がかかっているかもしれませんが、明らかにスピードが上がってきているのは、レコード会社の姿勢の変化があるように思えます。
また、「iTunes Match」が発表された時に、日本でのサービスは相当遅れるだろうと多くの方が予想されたと思いますが、思いのほか早く開始されそうな事も今の日本の音楽業界が置かれている状況が密接に関係してる気がしますね。
音楽市場全体が縮小してきている現在では、Appleの「iTunes Store」は黒船ではなく、救世主となりえるかもしれませんね。