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AppleとFacebookの繁栄の理由

投稿時間2012.02.20
Cnet Japanが、"アップルとFacebookの繁栄、そして「オープン」が廃れた理由"という記事を掲載していて、そのなかで、AppleとFacebookに1つ大きな共通点があるとしています。

Apple logo  Facebook logo
表面的には、これら2つの企業に共通点はほとんどない。Appleは細かく調整されたハードウェアとソフトウェアを誇る絶対的な存在なのに対し、Facebookは若く、奔放で、実験的な性格の強いウェブプラットフォームだ。Appleが世界中でもっとも秘密主義的な株式公開会社の1つであるのに対し、Facebookはプライバシーは過ぎ去った時代の遺物だと考えている。
しかし、AppleとFacebookには1つの大きな共通点が存在しているとしていて、それはオープンエコシステムを拒絶し、囲い込みアプローチを取った事だとしています。

これまで、囲い込みアプローチは大きな収益を上げる可能性があるが、大衆を魅了することはなく、大きくは育たないというのが一般的な見解だった。AppleとFacebookはどちらも、この一般的な見解に真っ向から挑み、強引に押し切った。彼らは単純に、より大きく、より塀の高い囲いを作ったのだ。
オープンエコシステムでは、様々な恩恵がユーザーに提供されるが、その反面、その製品は多くの異なる環境で動作する必要があるため、最小公倍数にあわせなくてはならなくなり、最先端技術やイノベーションを素早く実装するチャンスを失う事を意味するとし、Facebookの劇的な台頭の理由は、部分的にはオープンウェブの問題に対する反動であることは否定できないとしています。

このAppleとFacebookの共通点という意味では非常に興味深い記事です。Appleは以前からクローズの環境で自分たちがコントロールするという手法をとっていました。これは以前にもスティーブ・ジョブズ氏やフィル・シラー氏が語っていましたが、"Appleがユーザー体験に責任を持つ"ということに重要な点があると思います。

クローズでもオープンでも最終的に一番大事な事は、ユーザーに驚きを与え、これを使ってみたいと思わせる製品やサービス、イノベーションを生み出すかどうかに尽きるのかもしれません。現在特に急成長しているAppleとFacebookにはそれがあるという事なのではないでしょうか。

テクノロジー業界では、いずれクローズシステムからオープンシステムに戻ってくるだろうと考えているようですが、もはやそう単純にはいかないのかもしれませんね。