Apple

なぜ「iPhone」の工場はアメリカではなく中国にあるのか?

投稿時間2012.01.23
9to5Macは、The NY Timesが「なぜ「iPhone」の組み立て工場がアメリカにないのか?」という記事を載せていると伝えていて、その理由は、単にコストだけの問題ではないとしています。

Employees work on the ass 007

まず、中国のある都市では補助により、1日で3000人(寮完備)を雇うことができたり、2週間で2800人の工業エンジニアを雇うことが出来るとしています。これはアメリカでは9ヶ月かかるだろうとしています。

また、今日のガジェットはすべて同じ地域で作られている小さい部品を数千必要としていて、それらを供給するグローバルサプライチェーンは、アメリカに移動することが出来ないとしています。

さらに、最も興味深いエピソードとして、2007年「iPhone」が発売される前の開発段階の会議で、プラスチックの画面に無数のすり傷がつくことにスティーブ・ジョブズ氏が怒り、その解決策として、"画面はガラススクリーンがいい"とし、6週間以内に完璧に仕上げるように指示。会議に出席していたある幹部はその問題を解決するために、その日のうちに中国の深セン行きの航空券を購入したそうです。

新しいディスプレイは真夜中近くに工場に到着。そこの工場の幹部は寮に住んでいる従業員8000人をすぐに招集して作業を開始させ、96時間以内で1日1万台以上の「iPhone」を製造できるようになったそうです。

こういったことはアメリカでは実現できず、さらにコスト的にもアメリカで生産をした場合、「iPhone」1台あたり65ドル高くなるとしています。

Appleが工場を中国に委ねているかというのは、コストの部分が相当大きいかと思っていたのですが、それと同様に今のアメリカでは実現できない環境が背景にあるんですね。

現在行われている大統領選挙の共和党予備選の候補者の中には、Appleがアメリカに工場を造れるように税制を優遇すると話す候補者もいるようですが、もはやそのレベルでは解決できないようですね。