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イー・アクセス会長、ソフトバンク孫社長との交渉過程を語る

日本経済新聞は、昨日、株式交換方式でソフトバンクの完全子会社になることを発表したイー・アクセス千本倖生会長のインタビューを掲載していて、ソフトバンクの孫正義社長との交渉過程について明らかにしたと伝えています。

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千本会長は、交渉について、ソフトバンクが具体的な提案を持ってきたのは1週間くらい前で、最初は乗り気ではなかったが、孫さんの1.7GHz帯とiPhone 5のテザリングに懸けるものすごい思いがあった。当初は孫さんのそうした思いを分かっておらず、淡々と交渉に応じていたとしています。

交渉はKDDIなどとも並行ですすめていて、ソフトバンクと組みたかったというよりは、複数の提案が俎上(そじょう)に乗り、結局ソフトバンクと組むのが一番良いと取締役会が判断したとしています。

これについて大事なポイントは2つあったとしていて、1つは、イー・アクセスの社員をきちんとケアしてくれること、もう1つは当社の株主へのケアだったとしています。

さらに、「孫さんとの交渉では、その場ですぐ『分かりました』と返事がくる」と述べ、「持ち帰って検討し、丸くゆるやかに返事がくる他社と比べ、10周分くらいの差があった」としています。

決まったのは1日の午後、昼過ぎの取締役会で、それまでは流動的だったとしています。KDDIの提案も最後の最後まで選択肢としてあったが、スピードはソフトバンクとちょっと差があったとしています。

今回の経営統合はソフトバンクから提案がきてわずか1週間ほどのスピードでまとまったようで、やはりその背景には「iPhone 5」におけるKDDIとの競争があり、孫社長の「iPhone 5」特にテザリングにかける熱意とスピードがものすごかったようです。

千本会長はインタビューの中で、KDDIの田中社長についても実にフェアな人で、提案や交渉は技術にきっちり裏打ちされていたと語り、提案も極めて正当だったとしていて、非常にギリギリの交渉だったようです。

こういった交渉の舞台裏の話というのは非常に面白いですね。