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ソフトバンクとイー・アクセスの経営統合で、ソフトバンク版「iPhone 5」ユーザーにはどんな恩恵があるか

ソフトバンクとイーアクセスが10月1日に経営統合を発表しましたが、これによってソフトバンクの「iPhone 5」のユーザーにどんな恩恵があるのか、記者会見を振り返りつつ探っていきたいと思います。

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会見で孫社長は、正式に経営統合に合意したのが今日の午後で、最終契約書に一気に調印したとしていて、我々は「最高のモバイルブロードバンドを提供いたします」と語りました。

そして、今回の経営統合のキーはイーアクセスがLTEサービスを展開している1.7GHzの周波数帯だとしています。

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1.7GHzの周波数帯はLTEの世界標準バンドで、「iPhone 5」もこの周波数帯のLTEに対応しているとしています。LTE時代の1.7GHzは貴重であり、今までとは意味合いが違うとしています。

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ソフトバンクは、LTEの基地局を2013年3月までに2.1GHz帯(ソフトバンク)を20,000局、1.7GHz帯(イーモバイル)の基地局を10,000局設置するとしていて、合計30,000局になるとしています。これは競合するKDDIよりはるかに多い数だとし、サービスエリアも大きく広がるとしています。

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孫社長は、今回のソフトバンクとイー・アクセスの経営統合については、ソフトバンクからの強烈なラブコールをしたが、その背景にはテザリングがあると語っています。

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「テザリングオプション」を発表した時には、できればやりたくないという気持ちがあったが、今回はそれだけの準備ができたとして開始日を当初の2013年1月15日から、2012年12月15日に前倒しするとしています。

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さらに、昨日のTwitterで「検討します」とコメントした「iPhone 5」のパケット定額(5,460円/月)の1.2GB/月超過時の速度規制については、今まではネットワークを倒さないために保険の意味でかける可能性があるということだったが、この制限を本日から取りやめることを発表しています。

なお、孫社長はこの制限についてイー・アクセスとの経営統合がうまくいかなかった場合は、「検討したけどできませんでした」と答えるつもりだったことを明かしています。

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なお、3日間で1GBを超過する場合の速度制限の部分は、各社共通で制限があり、これについては何かしらの制限がある必要があるとしています。

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ちなみに、今回の経営統合でソフトバンクとすでに完全子会社となっているWillcom、そしてイーモバイルを契約者を加えるとauを抜いて業界第2位になるとしています。

今回のソフトバンクとイーアクセスの経営統合により、何より「iPhone 5」ユーザーにはソフトバンクが持っている2.1GHz帯とイーアクセスの1.7GHz帯の両方のLTEが使えることになります。

さらに、テザリングの開始時期前倒しや1.2GB/月超過時の速度制限の撤廃など、ソフトバンク版「iPhone 5」の弱点とされてきた部分が一気に解消されるということになり、また、KDDIのサービスエリアを大きく上回る可能性がありますね。

なお、実際に1.7GHzの周波数帯を「iPhone 5」で使うには、双方の基地局の調整、Appleとの調整により来春頃になるとのことですが、それでもこのインパクトは相当大きいとおもいます。

さらに興味深かったのが、質疑応答での「iPhone 5が今回の経営統合に影響を与えたか?」との質問に対して、孫社長は「YES」と一言で答え、「iPhone 5」が2社を統合に向かわせるという驚くべき影響力を見せつけました。