幸い、iCalとBusyCalには最新の情報ではないものの、Googleカレンダーのコピーがあったそうで、なんとかBusyCalに新しいカレンダーを作ってインポートしたそうです。ただ、全部のイベントが復旧したわけではなく、スキェジュールが重なるなどの問題が起き、生活上かなり困ったことになり、金銭的にも支障が出たとのこと。
ウォズニアック氏は、Googleカレンダーにアクセスする権限があるのが本人だけだと思っていたのが、実はBusyCalが同様にGoogleアカウントにアクセスできる状態だったことが判明したしたそうです。これは、元Gizmodoの元記者がiCloudのアカウントがハックされた件と似たような話だと思ったそうです。
この事件をふまえウォズニアック氏は、クラウドについて以下のように語っています。
サービス提供側には、こういう事件でユーザーがこうむった被害を回復させる責任がある、ということだと思います。その被害の原因が悪意だろうと不注意だろうと、ソフトウェアのせいであろうと。アメリカの権利章典には、「~してはならない」という文言が並んでいるように、僕らの「自由」は規制から生まれます。僕らがクラウドに預けているものを多少なりともちゃんと維持するためには、規制しかないと思います。ウォズニアック氏は、例えば銀行が利用者の責任でなくお金がなくなったら補填をするように、クラウドも同様な規制を今から始めるべきではないかとしています。そして、今から始めないと30年後では手遅れになるとしています。
そして、「僕らは、5年以内には「普通」になっていることの初期ステージにいます。なので今回みたいな事件は、これから時間とともにもっとひどいことが起こってしまうと思います。」と語っています。
今回もGizmodoの元記者の事件はクラウドサービスの根幹を揺るがしかねないことだったと思います。ウォズニアック氏がいうとおり、お金と同様に重要な個人の大切な情報を守るためには規制というものが必要になってくるのかもしれません。
今回のウォズニアック氏の寄稿で特に共感を覚えたのが、「僕らの「自由」は規制から生まれます」という部分で、規制とは悪い意味に取られがちですが、規制が自由の対極にいるのではなく、特に重要なものを守るときにはある程度必要なことのような気がします。
クラウドという新たなサービスが未来において重要な位置づけになるのは間違いないので、今ここで対策を講じるというのはいいことなのかもしれません。