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Appleがモバイル決済市場の参入に積極的でない理由

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版は、各社がモバイル決済市場を繰り広げる中、Appleが様子見を続けている理由を掲載しています。

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Googleは、昨年にスマートフォン向け電子決済アプリケーション「Google Wallet」を発表し、Microsoftは先月、クレジットカード情報やその他のモバイル決済情報を蓄積する新たなデジタル・ウォレット・サービスを提供すると明らかにしているが、Appleは参入に積極的ではないとしています。

Appleは先月、イントカードやチケット、クーポンなどをまとめることができるアプリケーション「Passbook(iOS 6から搭載)」を発表したが、クレジットカードやデビットカードと直結しておらず、決済機能がないことで注目されたとしています。

Appleがモバイル決済市場に積極的に進出しないのは意図的な戦術であり、昨年行った突っ込んだ議論の結果だとしています。エンジニアの中には積極的なアプローチをとるべきとの主張もあったが、Appleの幹部は差し当たり、スローペースでのアプローチを選んだとしています。

世界全体のマーケティング責任者、Phil Schiller氏は先月のインタビューで、デジタル・ウォレットのモバイル決済サービスは「各社がシェアを争っているが、われわれはそれに参加していない」と述べたそうです。

関係者によると、iPhone向けソフトウエアの責任者Scott Forstall氏やハードウェア部門の人物などは、モバイル決済向けの技術の研究などを進めていたそうですが、Appleの社員や幹部などは、バッテリーの寿命に大きな影響を与える可能性や、NFCの採用が小売業者に進まないのではないかという懸念があったようです。

2012年初めに行われたAppleの幹部による検討会議の概要を知る人物によると、モバイル決済の計画が幹部の審査に回されると、一部の幹部はためらったとしていて、最高財務責任者(CFO)のPeter Oppenheimer氏は、NFCを使用するよりもインターネットを採用したもっと新しく信頼できる技術はないかとたずねていたとしています。

「iOS 6」の発表の時に新しいアプリとして「Passbook」が発表されたときには、ついにAppleもNFCを搭載し、モバイル決済市場に参入かと思いましたが、よくよく機能を聞いてみるとポイントカードなどの一括管理アプリでしたね。

Phil Schiller氏がインタビューで「れわれはそれに参加していない」と述べているということは、しばらくは様子を見ながら参入のタイミングを計っているということになりそうです。

ただ、次期「iPhone」にはNFCを搭載するのでは?という噂もあったりしますので、突然参入する可能性も否定は出来ませんね。

引用元
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版